「スケルトン」とは、店舗内の床・壁・天井・内装などが何もない「建物の躯体だけの状態」を指します。簡単に言うと「コンクリートの打ちっぱなしの状態」の事で、「居抜き物件の反対の意味」として使われています。

契約した後にテナント様にて内装工事を行うと思うのですが、のちに解約によりその物件を手放す際には契約前の状態に戻す必要があります（原状回復）。全て撤去し、契約前の状態に戻された物件が「スケルトン」となります。

最初の契約内容で決まる

入居時での契約にて、退去時はスケルトン状態に戻す「原状回復」を前提とする物件がほとんどです。つまり「スケルトン渡しのスケルトン返し」が基本となります。

退去後、新たに入居する業種が同じ場合などにおいて、設備をそのまま残す、つまり「居抜き物件」にて解約を希望したい場合もあると思います。しかし、スケルトンに戻す条件で契約をされているのであれば、当然ながら元に戻さなければいけません。

つまり、はじめから「居抜き向け物件」としてテナント募集している物件はほとんどないため、居抜きをはじめから前提してしまうとほぼ条件に合う物件にたどり着く可能性は非常に低くなります。
ですので、現在まだ営業中の物件において、撤去の際に「居抜きとして譲渡できないか」を交渉していくことが居抜き物件を見つける最良の方法となります。当サイトに掲載している物件はスケルトン前の状態で交渉によって居抜き物件となる可能性のある物件のみを抽出し掲載しております。

居抜きでの譲渡を希望する場合は「建物の所有者」「閉店するテナント」「新規出店するテナント」の3者にて合意する必要があります。

何もない状態からのスタートとなりますので、店内のレイアウトを自由に決める事が出来ます。一からすべて自分で決めたいといったこだわりがある方にとっては一番のメリットと言えると思います。

大手チェーン店ではデザインが共通仕様の場合が多いので、同じ業種であっても、あえてスケルトンを希望する場合がほとんどです。

居抜き物件の場合ですと、前のテナントのイメージもそのまま残ってしまう場合があります。前のテナントがどういった理由で撤退したのかによっては、マイナスなイメージまでも受け継いでしまう恐れもあるので、全てをゼロにしてやり直すという意味で「スケルトン」のメリットと言えます。

居抜きよりも費用がお得？

居抜き物件のほうが設備をそのまま使うため、費用を抑えられるイメージがあると思いますが、物件によっては一部において追加工事が必要な場合もあります。工事内容によっては一部のみの修繕工事よりもスケルトンにて一から工事するほうが見積もりも出しやすく、費用を抑えられる場合もあります。

どちらにしても調査が必要

結局、「居抜き物件」「スケルトン物件」はそれぞれどちらにもメリット・デメリットがあり、物件の状況やそれに対するお客様の理想によって変わってくることとなりますので、居抜き向けな物件の場合でも事前に設備状況などの調査を行なった後で決めていただければと思います。

居抜き物件とは